* 小中学生と株券

Posted on July 13th, 2009 by tomoya. Filed under 思った.


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松本大監修「中学生への授業をもとにした世界一簡単な『株』の本」という本が、
実家に置いてあった。松本大さんといえばたしか有名な人では?その人が書いているのだからと思って手に取ってみた。

目次

第1部 株のがっこう(知識ゼロから学ぶお金と株式のルール
夢を実現するためのお金のふやし方
株式投資は習うより慣れろ!)
第2部 小・中学生7名の初めての投資体験(株を始めたらテレビや新聞の取材が殺到してその対応に困った
将来大好きなバンダイに入社するためにバンダイ株を100株ほしい!
出て売り時の見極めが難しかったが社会への興味が増した
ライブドア株を買い逮捕者が出ると株価が上がらないことを学んだ
祖母の助けになればと始めた投資で毎日がドキドキして楽しかった ほか)

金融の知識については中学生以下のぼくですら、スラスラ読める内容でした。ちなみに松本さんは監修なので、「はじめに」と「おわりに」だけ。他は、マネックスの関係者が各章を担当して書いているようです。


1限目:知識ゼロから学ぶお金とルール

ふむふむ。
「株とは」「景気とは」という一般論からはじまります。「経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)」や「細野真宏の世界一わかりやすい株の本」のダイジェストのような内容。
中学生向きにしては内容がうすく、ほとんど小学生向け。

気になったところ

株数が多いほど、その会社の経営についての影響力が高まる。つまり、発言力が強まります(p.23)

大人の世界ですねえ。
正論とは、真実を述べることではありません。理路整然としたスマートな解を述べることでもありません。
(株主総会という場では)金を持っている人の言うことが正論になるということですね。
わかったかな、中学生の諸君?

「ディズニーランドの入場券をタダでもらう方法」(p.24)

俗っぽすぎる。
せっかくお金や株のルールについて書いた入門講義なのに、株を買う理由として、「ディズニーランドの入場券がもらえる」からはちょっと卑怯だと思う。
なんでもいいから、個人に株買わせたいだけじゃないですか。

2限目:夢を実現するためのお金の増やし方

ふむふむ。
マクドナルドとモスバーガーの経営の違い、業績の違いなどを比較しながら、「あななたならどっちにする?」か考えて見ようと話。
読者をうまく参加させる魅力的な内容。

とはいえ、業績如何では無一文にもなってしまうのが株の怖いところ。

これでは、まるでギャンブルです(p.61)

とあります。

だから、優秀なファンドマネージャーが厳選した株をなんと1万円から買うことができる「投資信託」がおすすめですよ、というところに落ち着く。
「夢を実現するためのお金の増やし方は、投資信託です」って、これじゃまるで、証券会社の宣伝じゃないですか。

3限目:株式投資は習うより慣れよ

この講義は、マネックスで口座を開くための手引きが書いてあります。手数料の話とか。
そして、株は頭で考えてもわからないので、身銭を切って学びなさい、と中学生に教えます。
ある意味、世界一簡単な株の勉強法ですね。。。
何も知らない中学生が株の世界に飛び込んだところで、何を得ることができるのだろうか?
株に関しては、習ってからのほうがどう考えてもいいように思うのだけれど。

ここまでで、全体の84/180ページが終わりです。残りの100ページ以上は、小中学生が10万円を手にして、株を買ったあと、その価格の上下の中で家族たちが一喜一憂するドラマが何本か納められています。

総括

株についていくばくかの知識を得ることを期待していた。

けれど、この本からはそれは読み取れなかった。
「迷っているんだったら、やれよ」
というアドバイスは全ページからひしひしと感じられたが、しかし、どうも釈然としませんね。

この種の本で、中学生に教えてあげてほしいなとぼくが期待するのは、お金を実際に動かすことではなくて、お金への考え方をきちんと教えることではないかなと思う。
チャート図を読めるようになるのは、もっと後でもいい。

それ以前に、現代社会に生きる庶民として、お金にどう接したらいいのか、わからなくて混乱している人が多いと思う。
お金を増やすことに人は一生懸命になりがちだ。
けれど、お金が増えることが即個人の生活の満足につながるわけではない。
かといって、お金に無縁で生きていけるわけでもない。

それに、日々の労働の対価としてのお金(時給1000円×8時間)と、投資・運用のお金(千万・億単位)の額面があまりに違いすぎる。
1日汗を流して稼いだお金が8000円であり、たまたま運良くマウスをクリックしたら流れ込んでくるお金が1000万円である現実。

そこについて、どう考えればいいのか、そういったことを書いてある本を中学生はまず読んだほうがいいんじゃないかな。

あ、「モモ」とか?あれは、時間の話か。

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