* シリコンV(8)風向きは変わった。さあ、どうする? [時代について]
Posted on June 8th, 2009 by tomoya. Filed under 思った, 行った.
大きな視点・視野を持つことは重要である。
だけど、自分の行動の理由を、あるいは行動しない理由を、経済情勢とか国力とかそういう大きな問題にすりかえてはならない。
今、目の前に見えていること。
自分という人間が、この二本の腕だけでやれることを正しく把握する、それだけを実行すること。
シリコンバレーで僕たちをアテンドしてくれた方たち。
本当にありがとうございました。
彼ら・彼女たちから、大きなボールを受け取った。
「さあ、シリコンバレーについての紹介は終わったよ。君は来るの、来ないの?」
渡辺千賀さんのお宅でブランチという名の集まりにお呼ばれされたとき、参加者の脇さんが言った一言が今も思い出される。明るい午前の日を浴びながら、ソファに座って歓談していたときのことだ。
「もう聞きたいことないでしょ?あとは決めるだけでしょう?」
ツアー3日目くらいのことだ。サンフランシスコに到着したその日からずっと人から話を聞いてばかりで、だんだん食傷気味になっていたところに、彼の屈託のない一言を聞いた。
まったくその通りだった。
「ここで勉強したいですか?ここで働きたいですか?」
これに答えるだけの材料はすでに手中におさめた。あとは、イエスとうなずいて、行動を開始するだけなのだ。
まずはこれ。自分が行きたい場所・自分がやりたいことを最優先すること。
やらない言い訳は考えなくていい。
人にかかる迷惑も考えなくていい。
人はあなたが思っているほど、あなたのわがまま程度で迷惑がることはない。
それに、どれだけ迷惑をかけないようにと心がけたところで、歩けば屁をこき、座ればげっぷをするのが人の常。
どだい気をつかいすぎることもない。
やりたいことなんてないよという人は、「自分がやりたくないことを絶対にやらないこと」を心がけるということにしてもいい。
これは本当に大切なことなのだ。
やりたくない仕事に埋もれて恨めしい顔をしている人、本当に関心のあることをうっちゃらかして些事に手をこまねいている人が、今の日本の20代30代に多すぎる気がする。
早く目を覚ましてほしい。
梅田望夫さんがその著書で、「好きを貫く」ことの大切さを説いたように、やるべきことはたった一つ。
あなたが24時間週7日心酔し没頭できることなのだ。
梅田さんといえば、JTPAの中心メンバーで、今回のカンファレンスでも講演があった。
講演の2日後にはウェブページに全文が掲載されていたので、「聞いた」方はたくさんいると思う。
テーマは、「個人の力と時代の力」。
しかし、自分が梅田さんに期待していた声とはまったく違う言葉を聞くことになるとは思わなかった。
「がむしゃらに、なにはなくとも、こっちのほうが面白いからおいでよ」という強いメッセージを勝手に期待していたわけであるが、出てきたのは、時代の力が弱まっているからこそ個人の力を伸ばしていこうよ、という話。
あとで何度もブログにアップされた原稿を読み、昨年度の分も読んだのだが、でも、まだ腑に落ちない。
感覚が違うというのだろうか。
時代の力は、いまこそ強い。ただし、追い風ではなく、向かい風として。
個人の力の上に、どんを押しかかっている。ひとたび踏ん張るのをやめると押し流されてしまう、そんな印象をぼくは持っている。
ちなみに、講演のあと、すっと手をあげて、「反時代の力」の質問をした。
「時代の力に抵抗してきた個人の力があったからこそ、世界が変化し、今の時代が築かれてきたのではないでしょうか」
と、いきなり梅田さんにぶつけてしまった。
梅田さんからは、「個人のそういう思いもきっとなにかにつながる」といったような回答をもらった。
私たちの親の世代には、キャリアの選び方に「正解」があった。
誰が選んでも、確実に幸せになれる、そんな魔法のような道があった。
つまり、会社員となり、定年までつとめあげること。
今はその会社員定年人生の魔法が切れている。
ぼくにとっては、少しも魅力的ではない。
なぜか。2つ。
贅沢な理由。親のたどった道をまったく同じ道をたどることは、けして希望の持てる道ではない。
参考書の裏に乗っている解答例を見ながら、次々に問題を解いていくような人生になんの価値がある?
もっともな理由。
誰も他人の30年後を保証することなんてできない。
自分の勤めている会社が30年後も存続しているなんて保証はまるでない。
自分の腕、自分の足、自分の顔。
もう一度点検してほしい。
会社がなくなったとき、自分は何ができるだろうか。
ついで、カンファレンスでの金島先生の講演について。
曰く、
- turning-pointが何度もあった
- シリコンバレーでのキャリアアップには、「ひとつの専門性をとことん突き詰めるか、複数の専門性にまたがるか」の道がある
- ひとつの会社ではなくその業界に就職しているというような、プロ野球選手のような意識
- 楽観性って意識しないと持てないよ!
- 様々なスキルを有する人とのコネクションを広げて夢を達成できる機会を最大限に増やしておくこと、
- グローバルで通用する人となって、これからの日本を負って立つくらいの気概を持つこと
- 自分の仕事が明確で、自分を鍛えかつ自分の成果の見えやすい小さな組織で働くこと
話を聞きながら、途中、熱くこみあげてくるものがあった。
最後に、今の日本を引っ張っている政治家や経営者たちの中に、本当に50年後100年後の日本を考えて、真剣になにかをやろうとしている人なんていないと言われて、がんと頭を叩かれた気がした。
上の世代は上の世代が見えている範囲しか世話をしてくれないのだから、自分たちが自分たちの将来を引き受けなければいけない。
社会とか政治とかについて他人事のように考えてきたぼくにとって、この発見は、まさに大発見だった。
繰り返して言おう。
自分たちの将来、自分たちのこれからの生活は、自分たちで引き受けなければならない。
国・世間・会社・社会・役所。
そういった「誰でもない組織体」に、無自覚に自分の身を委ねるのは危険だ。
古いお爺さんたちが権力の杖を握りしめている今はまだ、そう簡単に何もかもは変わらない。
だからといって、「仕方がない」ですませてしまうと、まずい。
ぼくたちの子どもたちが大人になったとき、本当にどうしようもなくなってしまっているだろう。
「自分の未来は自分でつくる」、そう考えている人たちはとっくにもう行動を開始している。
ぼくも遅れずについていかなくてはいけない。
(The original photo is uploaded by Wonderlane. )
目次
- はじめに
- 二度目のサンディエゴの空
- 会社組織を覗き込んだらそこは闇だった、シリコンバレーにはなにかあると思った [SVC参加について]
- エンジニアですか、それ以外のなにかですか? [自己紹介について]
- 声をあげよ! [コミュニケーションについて]
- ビジネスを走らせる [起業について]
- たとえリーダーはいなくとも [仲間について]
- 風向きは変わった。さあ、どうする? [時代について]
- 種をまく – 消えることのないもの
- 旅行記
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July 13th, 2009 at 11:39 AM
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