* マーシー・シャイモフ「脳にいいことだけをやりなさい!」

Posted on March 2nd, 2009 by tomoya. Filed under 読んだ.


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夢、才能、運、日常生活、それに、「脳」というキーワードがあったので、脳科学の最新研究の成果などをまとめて、それに成功哲学・人生論を混ぜたものかと想像していました。
しかし、読んでみると、脳はそれほど関係なく、ポジティブに生きる考え方を身につけるためのアドバイスに満ちた本だということがわかりました。
騙された気が若干しないでもないですが、本の内容としてはとても満足のいくものであったので気にしないでおきましょう。

ところで、今僕は、会社員をやめて、フリーで生きていこうという決断をしたばかりの時期にあります。

今はまさに月曜日の朝で、先週までなら満員電車にゆられて、のっぺりとしたオフィスに詰め込まれていたところでしたが、今週はこうしてお茶を飲みながら、読書をし自分の人生に思いを巡らせる贅沢を許してもらっています。
もちろん、一時的に収入が途絶えるわけで、今後について不安に思うことはありますが、だからといって希望の見出せない生活に身をやつして、人生を無駄にしたくはないと考えています。

さいわい、僕の妻が職を持っているので、万が一半年たってもフリーランスとして生きる手立てが見つからないままであっても、路頭に迷うことはないという安心感はあります。

さて、こんなことをぼくは考えているわけですが、その自分の決断は、けして間違ってはいないと太鼓判を押してくれたことが、この本に巡り会えた一番のよろこびだと感じています。

通常の成功本だと、現状の自己分析から始まりますが、この本はそうではありません。

現状よりもむしろ自分の目指すもの、理想に重点を置いています。

「特別な理由もないのになぜだか幸せ」な状態を具体的にイメージできれば、楽にそれを実現することができますし、理想像をイメージするだけで脳に「幸せの回路」がつくられます。(p.52)

というわけで、自分にとっての理想状態を思い描いてみましょう。

ぼくの場合は、こんな感じです。

大都会でなく、土地の余裕のある場所へ移住して、自分の親や生まれくるはずの子供たちと一緒に、犬を飼ったり、農作業をしたり、地元コミュニティと信頼関係を築いて、生活をしていきたい。そのために、勤務地や勤務時間の自由がない会社員ではなく、フリーランスとして収入を得たい。

この生活をすることが、ぼくにとっての”happy for no reason”(この本の原著タイトル)な状態です。

さて、この理想状態を具体的にしたところから、レッスンスタートです。

レッスン1. 思考の転換

第2、3章でかかれています。茂木さん語によると、

  • ネガティブ思考の「大そうじ」をする
  • プラス思考で、脳にポジティブな回路をつくる

です。章タイトルは、「簡単で効果抜群の脳の『大そうじ』!」とか、通販なノリになっていますが、寛大なこころで赦して上げてください。

内容は、一言で言うと、「捨てる」。
不平を捨てる。
責任転嫁を捨てる。
イライラする気持ちを捨てる。
後悔・罪悪感を捨てる。

ぼくの場合は、定職まで捨ててしまいましたが。

チベット亡命政府の顧問曰く

「幸せの本当の敵は、思い込みや錯覚です。物事を違う角度から見て真実がわかったら、苦しみは少なくなります」(p.90)

ものの見方を変えることの大切さが説かれているわけです。

しかし、言うは易し、行うは難し。実際になにをどうすればそのような見方をできるようになるでしょうか。本章では、「セドナ・メソッド」「鏡のマジック」などの実践的方法が紹介されていたのでぜひ気になる方はやってみてください。

レッスン2. 実践する

第4、5章です。茂木さん語によると、

  • 何事にも「愛情表現」を忘れない
  • 全身の細胞から健康になる

まずは、とりあえず感謝すること!

スタインドルラスト修道士のように、

「感謝の気持ちに理由はありません。持っているものがどんなに少なくても、感謝することはできますよ。感謝とはあるがままの状況を素晴らしいと考え、一瞬一瞬を満たされた気持ちで生きることです。」(p.111)

そして、

「幸せだから感謝するのではありません。感謝するから幸せなのです」(p.111)

の境地にたどり着けるようにすることです。

そして、人を許すこと。監獄に入っていた僧の会話が紹介されていました

「彼らを許したかい?」
「許すものか!絶対に許さない!」
「そうか、君はまだ監獄にいるのだね」(p.122)

つまり、自分のために、自分の未来の自由のために、過去のまちがいを許すのです。

また、第5章では、脳のために、食事や睡眠に気をつかうことが奨励されています。
加工食品をやめて有機野菜などを積極的にとることは、ほんとうにいいらしいですね。
ぼくも、毎週有機野菜をお取り寄せしています。

また、多くの忙しい人にとっては、アーユルヴェーダの師のいう、

「気持ちが落ち込んだ時には続けて三日間、夜十時には眠りなさい」(p. 162)

を行ってみるとよいかもしれません。三日連続というところがポイントでしょう。
会社員時代は、こんな贅沢はゴールデンウィークとお正月にしかできなかったものです。

レッスン3. さらなる刺激を与える

残りの第6、7、8章です。茂木さん語で、3つ。

  • 瞑想などで脳を「人智を超えた大いなる力」につなげる
  • 目標を持ち、脳に眠る才能を開拓する
  • つき合う人を選んで、脳にいい刺激を与える

一日一回の瞑想や、日記に考えを書き留めることなどが、自分の精神生活を豊かにし、脳を活性化させます。
また、情熱を持って集中できる目標があることは幸せです。
さらに、心地よくつきあうことができ、また励みにもなる友人を持つことは、人生に欠かせません。

ぼくの場合は、こうしてブログを書くという経験が、自分の考えを広げ豊かにすることにつながっているように感じています。

最後のまとめ

繰り返しになりますが、この本はいわゆる「脳」にまつわる本ではありません。出版社か訳者によるこじつけは多いので気をつけるべきで、原著は「特別な理由もないのに幸せな」生活を送るためのTips集といった内容でないかと考えています。

しかし、内容はけして悪いものではありません。日々の生活での、心のもちかたについて、参考になることがたくさんあったように思いました。



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